「思い出す」ことの重要性 みなさんには、過去の記憶が呼び覚まされた経験があるだろうか。 過ぎ去って行く日々のなかで自分の昔の経験がふっと現在とつながる瞬間__。 わたしたちは、これまで生きてきて、小さなことから大きなことまで数え切れないほどの経験をしているはずだ。 けれど、その感覚や感情は、一瞬で過ぎ去って、もう二度と...
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みなさんは美術館でどのように絵を見るだろうか。 大体、順路に沿って、絵のタイトルとか技法が書いてある説明パネルを見て、絵を見て… と、そんな具合で進んでいないだろうか。 しかし、そんな機械的なベルトコンベアの作業のように、鑑賞を行うのは 非常に勿体ない。 わたしは、大学では美術鑑賞や学芸員になるための専門の授業をたくさ...
《アネット》1951年 ジャコメッティの絵画は、とても不思議だ。 彼の絵を眺めていると、今、目の前のモデルを自分が描いている、そういう状況を錯覚する。 もちろんそうではないはずなのにジャコメッティの絵画は、「モデルを描いた肖像画」ではなく、 今、モデルを描いているという「事実」、あるいは「時間」を共有する媒介のような役...
日本画の基礎として、岩絵具は、粒が細かいものを最初に塗り、徐々に荒い粒子を重ねていくと良いとされている。 粒子の荒さは、絵の具の番号を見ればわかる。番号が若ければ若いほど荒い粒子となる。 また、粒子の大きさの種類は一般的な3つに分けられている。 細目(11番以下) 中目(9番) 荒目(7番以上) このようになっている。...
先日の記事で、「自分探しの旅」のお話をした。 わたし自身、一人旅に出て、心動かされ、新しい自分に出逢うことがたくさんあった。 そのなかでも、特に、自分の心の芯の部分にささる出来事があった。 それは、「自分の憧れる生き方」との出逢いであった。 みなさんには尊敬する人、憧れの人はいるだろうか。 わたしは特にいなかった。好き...
「自分探しの旅」に出て、 意味がなかった、とか、特に何も見つからなかった そういう話を聞く。 私はというと、大学時代から一人旅を何回もしていて、その度に自分の興味の対象が新たに見つかる。 ※わたしの人生に大きな影響を及ぼした旅の経験についてはまた別記事にてお話しようと思う。 まぁ言ってみれば自分探しの旅が、おそらく毎回...
-青の稜線- ※1「霧中の嵐山」 7月某日朝6時。 新宿から乗車した夜行バスで京都駅八条口に到着する。 バスから降り立ち、寝不足のぼんやりとした頭で空を仰ぐと、曇天。 しかし東京のもったりとした湿気はなく早朝の涼しさが心地よい。 薄明の、まだ街が眠っているような静けさの中、嵯峨野に向かう電車に乗りこんだ。窓際の席にもた...
岩絵具の基本 岩絵具は粒子の荒さによって番号が別れている。そして、基本的には番号が上になればなるほど粒子は荒く、色は濃くなっていく。 たとえば、これは同じ薄水色だが、右は13番、左は10番である。 ラベルの下の部分から顔料の色を確認してらしい。どちらが濃い色に見えるだろうか? そう、左だ。番手も上だ。岩絵具の色と番手は...
以前の記事にも書いたが、わたしは日本画制作において岩絵の具の使い方に難しさを感じている。 その理由が ・天然の材料からつくられるため、色が限られ る。 ・顔料の粒同士がうまく混ざらないことがあり、混色に適していない。 ・色の濃い、薄いを変えるために膠と水の割合をいちいち変えなければならず、絵の具をのせるまでの過程が面倒...
アートの世界には公募展というものがある。 自分の作品を審査してもらい、賞をもらうこと。 いわば、画家の登竜門だとか、宣伝の場だとか色々言われている。規模も参加料もぴんきりで、コンセプトもさまざま。 今日は、そんなコンペにまつわる話をしたいと思う。 わたしが公募展に応募しようとしたきっかけ そもそも、私が公募展に応募しよ...
プロフィール
風景に溶ける画家。
自然の絵の具である岩絵具を用いて、自然、文化、歴史との一瞬の出逢いを五感で味わえる絵を描いています。
また、対話を通して貴方の心の風景を描き出す受注制作も承っております。
イメージを共有し、貴方の心の故郷を探す旅のお手伝いをいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
自然の絵の具である岩絵具を用いて、自然、文化、歴史との一瞬の出逢いを五感で味わえる絵を描いています。
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このサイトについて
忘れられない風景。
どこか懐かしい風景。
一瞬で消えてしまう風景。
確かに存在していた、風景の美しい一瞬を後世に遺したいー。
そんな想い
みなさんの心のなかに灯り続ける風景と生き方をお届けします
岩絵の具の研究、美術鑑賞、旅の中で得た発見、生き方を綴ります。