・ 「夜の寺」 ・ 地蔵通りに向かう境内を見下ろす石段が好きだ。 左右には杉木立のなかに福徳大神様の苔むした花崗岩の鳥居があり、その奥の杉木立の葉の間から三日月がのぞいている。 左側には慈母観音と地蔵菩薩が心静かに微笑んでいらっしゃる。 慈母観音の衣紋や肩の丸い線、表情のきりっとした口元、鼻のラインが夜の闇と燈のなかで...
- ホーム
- 旅の風景便り | くるりの風景画
記事一覧
・ ・ ・ ・ ・ 奥嵯峨野、滝口寺と並ぶように建つ尼寺、祇王寺。早春の苔寺にはぽつりぽつりと落ちる紅色ー。その鮮烈な印象は今も脳裏に焼き付いているーー。 《紅落つる》2021・ ・ fallen crimsonsF6号岩絵具、麻紙 ・・錦のように鮮やかな幾層もの緑が織り成す苔むす庭、春の祇王寺。光の粒が、苔の細かい茂...
貴船山雪 スケッチ(部分) 年始の貴船神社は奥宮まで人が賑わっていた。 5年前に来た頃と比べると、貴船神社付近には随分新しい茶店やもモダンなカフェもでき、随分観光地化してしまった。 芹生方面も去年の大型台風による甚大な被害により、未だに閉ざされたままだ。あちらこちらに残る倒木、斜めに曲がった幹。かつての美林の姿を想い、...
・ 《光悦墓所》スケッチ F4 7年前。大去庵から眺めた鷹ヶ峰の美しさが忘れられず、再び光悦寺を訪ねた。 美しいと思ったが、あのときほど感動はしなかった。やはり、同じ場所を訪れても、そのときの自分の心のありかたによって風景の感じ方は変わる。 以前は気付かなかった場所に出逢ーー。 大去庵をあとにし、冬のあたたかい鈍い光に...
【霜光の朝 】 SMサイズ 岩絵具・麻紙 真冬の東北を訪ねた。 雪が降らない、みぞれや冷たい雨が降る関東の冬は、ぶるぶると芯から身を震わせ、耐えられない寒さを感じる。 一方で大雪に見舞われる東北は、寒いというより、頬にあたる風が冷たくてどこか気持ちいい。 私はそんな雪にさす少しだけあたたかな朝陽などが、いっそう心地よく...
《風吹きて神宿り》 スケッチ・水彩 長野は山々や、木や土の自然に神性を感じる土地だ。 標高の高い山に四方を囲まれた長野盆地。その自然、山々を象徴するかのように、地域の至るところには、古木、老木をそのまま持ってきて用いる意匠が多く見られ、 ご神木の考えがもっとも身近に感じられた。 そこには人の手の入らない自然をそのまま生...
ドロレス・パーク 2020,9 紙本彩色 霧の街といえば、ロンドンだろうか。 わたしは、サンフランシスコだと思う。 真夏だというのに、街は朝夕信じられないほど冷えて、冬じゃないかと思うくらいだ。 ダウンが必要なくらい、海風に凍える。 アルカトラズ島は、分厚い霧に覆われ、身を切るように渦巻く寒ざむしい海の色は暗い。 そん...
《奥まる壁》 “The secluded wall” ・パネル 油彩 220×160㎜ シャルトル大聖堂の有名な“シャルトルブルー゛のステンドグラスは美しかった。 今まで見てきたそれとは比べものにならない深みのある色合いと輝き。 特に、マリアの衣などは、シャルトルブルーと呼ばれる青の色彩に包まれ、暗闇の中くっきり鮮やか...
プロフィール
風景に溶ける画家。
自然の絵の具である岩絵具を用いて、自然、文化、歴史との一瞬の出逢いを五感で味わえる絵を描いています。
また、対話を通して貴方の心の風景を描き出す受注制作も承っております。
イメージを共有し、貴方の心の故郷を探す旅のお手伝いをいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
自然の絵の具である岩絵具を用いて、自然、文化、歴史との一瞬の出逢いを五感で味わえる絵を描いています。
また、対話を通して貴方の心の風景を描き出す受注制作も承っております。
イメージを共有し、貴方の心の故郷を探す旅のお手伝いをいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
このサイトについて
忘れられない風景。
どこか懐かしい風景。
一瞬で消えてしまう風景。
確かに存在していた、風景の美しい一瞬を後世に遺したいー。
そんな想い
みなさんの心のなかに灯り続ける風景と生き方をお届けします
岩絵の具の研究、美術鑑賞、旅の中で得た発見、生き方を綴ります。