
みなさんは、自分がすごい人間だと思ったことはあるだろうか。平凡で特別なものはなにもない人間だと思い込んではいないだろうか。
しかし、それは違うかもしれない。
人間は、普段、もっている力の半分も発揮できてないのではないかと私は思う。
つまり、あなたには本来眠っている力があって、それがまだ引き出せていない可能性が存在する。
そして、
みなさんが自分の本来もつ力を強制的に120%引き出し、自分の生きる力を呼び覚ます簡単な方法がある。
それは、
一人旅に出ることである。
え?そんなこと?と思うかもしれないが、1人で旅に出るというのは想像以上に様々な能力が必要だ。
しかも、それが1人となると強制的に自分がやらざるを得ない状況に追い込まれるので、その力が引き出される仕組みだ。
今日は一人旅で引き出される力の正体についてお話していこうと思う。
人は危険を感じているときほど死なない
友人が、一人旅に出たいけど、不安だという話をしていた。
それに対して私が「なぜ」と聞くと、
友達と行くと、なにかあっても助け合えるから安心だけど、一人旅だとなにかあったとき全部自分でやらなければいけないから。
という話をされた。
では、皆さんはいかがだろうか。
一人旅は複数人の旅より危険値が高くなると思うだろうか。
私は、逆だと思う。
なぜなら、
ひとりで旅をしているときのほうが
危険を察知する能力、回避する能力が格段に上がるためだ。
一人で旅をしていると様々なトラブルが起きるのだが、このトラブルを解決しなければ旅は進まないので、結果的に、経験値と能力値が上がっていくのだ。
実際起きたトラブル
わたしは学生の頃に2週間のヨーロッパ一人旅を決行したが、
ツアーなども組まず宿も飛行機もすべて自分で手配した。
事前の準備もそれなりにしたが、現地にいけばなんとかなるだろうという気持ちもあった。
その結果、まぁ小さなトラブルは日常茶飯事なわけだ。
特に海外だと道がわからない、交通手段、鉄道の乗り換え、宿やタクシーの手配、現地でのコミュニケーション、盗難や紛失、困ったときの対応。現金が使えないとか、切符が買えないとか、まぁたくさん。
そうそう、空港で、飛行機のチェックインの機械が反応しないなんてこともあったなぁ。このままじゃ飛行機乗れないじゃん!!
と本当に焦った。
しかもあたりにスタッフしき人も誰もいなくて、やけくそで強面の黒人のお兄さんに聞いたらその人が乗り場まで案内してくれて、なんとか飛行機に乗れることができた。
土壇場の人間の判断力と行動力ってすごい、自分ってすごい!意外とやれるじゃんと思った瞬間だった。
それと、犯罪や事故だけには巻き込まれないように本当に用心した。
一人旅だと、自分の身を守るの は自分のだけという意識が強く働くためだ。
実際に行った防犯対策としては、
◎お金とクレジットは3つの場所に分けた。
◎一番大切なパスポートと主要なクレジッ ト、現金は、ズボンのポケットの内側に縫い付けた。
◎観光客とわからないように、道では絶対スマホや地図やガイドブックを開かない。
◎ポケットに手を突っ込んで機嫌悪そうに、あたかも現地の人ですよ、みたいな感じを装って歩く
……などなど、かなり凝った対策を実行した。
特に、3つめの不機嫌そうに歩くのが地味に有効なことがわかった。
(ちょっと立ち止まってキョロキョロしたらとたんに声をかけられたので。)
ここまでした結果、本当に危ない被害にはあわずにすんだ。
そこまでしなくてもよかったと思われるかもしれないが、私は念には念をいれた結果、無事だったのだと思っている。
「危ない」と感じる経験をすることが大切
一人旅は、常に危険と隣りあわせだ。
なにかあったとき、全部自分でやらないといけない、もしかしたら死ぬかもしれない。
でも、不思議なことに、そう思ってるときほど、人は死なない。
わたしは、むしろ、大丈夫だろうという慢心が生まれたときが一番危ないと思っている。
よく、登山に行って、命をおとす、アマゾンの奥地に行って命をおとす、ということをよく聞く。
これは、やはり十分な危機管理ができてなかったのだ。
自分の危機意識と現地の危険度の間のズレがあったということ。
この原因のひとつに、事前のリサーチが足りなかったことがあげられる。
危険だという情報を目にしていれば安易にそこに踏みいったりしない。
そして、あえて危険ということを知ったうえで赴くのであればあらゆる対策を講じて緊張感をもっていくはずだ。
次に、現地での覚悟も足りなかったのがしれない。
本当に「なにがあってもひとり」
ということをしっかり意識していれば、本能で、
ここから先は危険だから行かないようにしよう
とか、
このルートは自分にはハードルが高い、
とか
そういう第六感のようなものが働くのだ。
そして、本能的にそういう場所は避ける。近づいたら逃げる。
実際わたしは、海外で何度も危険を察知することあった。
パリの裏路地とか、夜の地下鉄とか、変な人はうろちょろしている。
マドリッドも、少し怪しい場所もあった。
よく街や、天候、地形の様子を見て少しでも厳しいと思ったらやめる。
例えばパリでは、地下鉄の通路で奇声をあげながら後ろから人が走ってくる足音を感じて全力で逃げた。
別に自分が追いかけられたわけではないが、あの足音を聞いたとき、もしかしたらひったくりかもしれないとか、ナイフをもっているかもしれないとか、あらゆる危険を一瞬で想定して全力で回避する方向に動いた。
わたしは、あのとき、本当に怖いと思ったけれど多分あの感覚はとても正常で、ひとりで旅をして、危機意識を高めていたから、嗅ぎ付けられたのだ、その恐怖を。
最後は、本能が人間の命を救う
私は、一人旅のすべての瞬間において、自分の力が試されていると思う。
事前の準備や現地での移動、宿の手配、荷物な管理や盗難対策、街の歩き方に至るまで、自分の神経が鋭敏になっているのを感じた。
明らかに普段過ごしている自分とは違う自分がそこにはいた。
しかし、友達と2人で旅行したときは、トラブルがあったとき、お互いでどうする?どうする?という感じで戸惑い、行動が一歩遅れたり、リスク監理において鈍感になってる感じがした。
「1人で進む」という覚悟をもてば、人は強くなる。
ひとりで知らない土地に行く。右も左もわからない。そういう状況に入ると、
最初はおろおろするかもしれないが、じきにどうすればいいのか、この状況をどう切り抜けようか、自然と常に考えられるようになる。
自分の感覚が研ぎ澄まされ、その結果、本来的備わっていた自分のなかの生きる本能が開花するのだ。
だから、一人旅は危険ではない。むしろ、人に日常的に頼る旅のやり方のほうが、いざというとき、なにも動けない。
だから、もし、本当に危険を感じ、それを回避する力を身につけたいのであれば、迷わずひとりで旅に出てみよう。
そのとき、自分でも驚くほどの行動力や判断力が発揮されるのだ。
そういう力が、本来人間には備わっているはずなのだ。
そうでなきゃ、500万年も生き残っていない。
私たちは自分の力をまだまだ知らない。自分の力がないのではない。
引き出せてないだけなのだ。
なにか特別なことをしなくても、まったく知らない遠い場所に1人で旅に出る
こういう状況をつくるだけで、あなたのもつ本来の力は呼び覚まされる。
皆さんも一歩勇気を出して、自分のもつ本来の力を試してみるのはどうだろうか。