-青の稜線- ※1「霧中の嵐山」 7月某日朝6時。 新宿から乗車した夜行バスで京都駅八条口に到着する。 バスから降り立ち、寝不足のぼんやりとした頭で空を仰ぐと、曇天。 しかし東京のもったりとした湿気はなく早朝の涼しさが心地よい。 薄明の、まだ街が眠っているような静けさの中、嵯峨野に向かう電車に乗りこんだ。窓際の席にもた...
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岩絵具の基本 岩絵具は粒子の荒さによって番号が別れている。そして、基本的には番号が上になればなるほど粒子は荒く、色は濃くなっていく。 たとえば、これは同じ薄水色だが、右は13番、左は10番である。 ラベルの下の部分から顔料の色を確認してらしい。どちらが濃い色に見えるだろうか? そう、左だ。番手も上だ。岩絵具の色と番手は...
以前の記事にも書いたが、わたしは日本画制作において岩絵の具の使い方に難しさを感じている。 その理由が ・天然の材料からつくられるため、色が限られ る。 ・顔料の粒同士がうまく混ざらないことがあり、混色に適していない。 ・色の濃い、薄いを変えるために膠と水の割合をいちいち変えなければならず、絵の具をのせるまでの過程が面倒...
アートの世界には公募展というものがある。 自分の作品を審査してもらい、賞をもらうこと。 いわば、画家の登竜門だとか、宣伝の場だとか色々言われている。規模も参加料もぴんきりで、コンセプトもさまざま。 今日は、そんなコンペにまつわる話をしたいと思う。 わたしが公募展に応募しようとしたきっかけ そもそも、私が公募展に応募しよ...
ー北斎との出逢いー 富嶽三十六景 「神奈川県沖波裏」※1 本日は、 国内外問わずその名を轟かせ、人気を博している北斎について語りたい。 日本で人気の高いフランスの印象派の画家たちのように、国内で開催される数多くの展覧会に顔を出しているようにも思う。 2024年度に刷新される、日本千円札の絵柄のモチーフにも富嶽三十六景「...
スケッチは、短時間でささっと印象を描ききる通常の絵画よりも時間もお金もかけず手軽に取り組める技法だ。 そのスケッチが作品として上手くいくとき。 それは主に2つのパターンがある。 パターン1 まずは、単純に、 時間だ。 絵に費やす時間を多くかけた場合だ。納得いくまでかききった場合うまくいくことが多い。 だだ、ひとつ注意す...
本日お話するのは、この美術館について。 北の大地のひらけた草原の中にぽつんと佇む白亜の建築。 青森県立美術館である。 この美術館の常設展示である《舞台背景画アレコ》。 この作品の展示において、私はまさに作品のための空間というものを感じ、大変感銘を受けたのでそのお話をしようと思う。 舞台背景画 アレコ (1942年) 描...
私は芸術(アート)が好きだなぁと感じる人間です。 でも、世の中には芸術の素晴らしさがわからない人も当然いるでしょう。 その理由には、出逢いであったり、育った環境であったり、性格的なものであったり、様々であると思う。 そして、それは当然悪いことではない。 芸術の価値というものは確かにあって、でもそれが誰かの人生において絶...
本日は、その名を聞いたことのない人はほとんどいないであろう、世界的画家パブロ・ピカソについてお話したい。 私自身、ピカソの良さというものをあまりわからないまま大人になった。 しかし、ピカソの生い立ちや背景を勉強し、そのうえで作品を見たときにがらりと感動したので、今日はピカソの凄さと魅力を皆さんに少しでもお伝えできればと...
みなさんは、ムンクの《叫び》というのをきっと聞いたことがあると思う。 そう、こちらの作品だ。 しかし、もし、私が独断で人にムンクの作品の 代表作を選ぶなら、わたしは「叫び」は選ばない。 そして、間違いなくこの作品を選ぶだろう。 作品の名は《太陽 》___。 ムンク中期の傑作だ。 この絵には、東京都美術館で開催されていた...
プロフィール
風景に溶ける画家。
自然の絵の具である岩絵具を用いて、自然、文化、歴史との一瞬の出逢いを五感で味わえる絵を描いています。
また、対話を通して貴方の心の風景を描き出す受注制作も承っております。
イメージを共有し、貴方の心の故郷を探す旅のお手伝いをいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
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このサイトについて
忘れられない風景。
どこか懐かしい風景。
一瞬で消えてしまう風景。
確かに存在していた、風景の美しい一瞬を後世に遺したいー。
そんな想い
みなさんの心のなかに灯り続ける風景と生き方をお届けします
岩絵の具の研究、美術鑑賞、旅の中で得た発見、生き方を綴ります。