岩絵具の発色が一番良いのは和紙ではない

私はこれまで、日本画において、岩絵具の顔料としての美しさを追求してきた。

これまでの記事で、膠のかわりにアクリルメディウムを使うということも試したが、岩絵具本来の発色を実現するには、伝統的な技法に勝るものはないという考えに至り、現在は膠をメインで使っている。

しかし、また今回、新たに岩絵具がより美しく見える方法が見つかったのである。

それは、基底材(岩絵具をのせる支持体)に

和紙を使わないということである。

旧来の、

日本画=和紙or絹本

という固定観念にメスを入れた。

さらに、驚くべきことに、今回は、アクリルメディウムを試したときのように、旧来の技法のほうが優れている、とはならなかった。

和紙よりも、

むしろ洋紙(水彩紙)のほうが岩絵具の発色が美しいという衝撃の事実が発覚したのである。

それでは、実際にご覧いただこう。

いかがだろうか?

マチエールの複雑さ、深い色のにじみ、目の醒めるような発色ー。

ここでは、ワーグマンの350mg超厚口の水彩紙に、荒い岩絵具をのせて、さらに、水彩絵の具を重ねているが、

岩絵具の発色と水彩絵の具の発色が相乗効果で鮮やかに見え、さらに、岩のざりっとした質感がしっかり見えてくる。

これが、和紙だと全体的に馴染んで、くすんだようになるのだ。そこで、日本画独特の落ち着いた雰囲気は出るが、生きた躍動感は、こたらの方が出ているのだ。

この結果は、絵はもっと自由でいい、ということを真に指し示していないだろうか。

私は、さらにたまたま余っていたシナ材のパネルにも岩絵具をのせてみた。

なんだか、木にものるのではないかと思ったのだ。

結果は、ビンゴだった。

パネルに岩絵具 《在るがままに在る》

しっかり絵の具は吸着してくれた。

和紙に描いていた頃にはなかった、非常に新鮮な美しい質感と色だ。

これは、深く、本当に表したいものと響きあっているような感じがする。

言葉にはできない、あっという驚きー。

これから、絵は、確実に美しく、深みを増してゆくだろう。

今回の新発見でまたひとつ道が開けた。

さぁ、更なる深淵へ足を踏み入れようー。

無題 F6 水彩紙 

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