《風吹きて神宿り》 スケッチ・水彩
長野は山々や、木や土の自然に神性を感じる土地だ。
標高の高い山に四方を囲まれた長野盆地。その自然、山々を象徴するかのように、地域の至るところには、古木、老木をそのまま持ってきて用いる意匠が多く見られ、
ご神木の考えがもっとも身近に感じられた。
そこには人の手の入らない自然をそのまま生かす風土を感じた。
朝。千曲川の前に鎮座する八王子山を御神体とするさらしな神社を訪問する。
大鳥居をくぐるとすぐ階段を降り、境内が広がる神社にしては珍しい地形だった。
大鳥居をふりかえると、立派な杉の間からしめ縄が風にゆらぎ、階段には朝日が照らし、向こうにはさらに遠くの山々に雲海が押し寄せるさまが見えた。
天照大神をはじめとする日本書紀に登場する神々が宿る土地。長野。
そこには確かに、日本の古来より霊気に覆われた素朴な自然の神々の存在を感じるのだ。