《陰翳礼賛》_サン・ミニアートアルモンテ教会__ 2020年9月21日 《陰影礼賛》“in praise of shadow” 紙本彩色 ミケランジェロ広場の小高い丘からさらに階段を登り、サン・サルヴァトーレ教会からさらに坂を登った先にひっそりと建つ。サン・ミニアートアルモンテ教会。 ドゥオモやサンタマリア聖堂に見られる色大理石を用いた幾何学模様のファザードが夜の帳に浮き立つ。 堂内に入る... kururi
京都巡礼-滝口寺- 2020年9月19日 《滝口寺》 スケッチ 雨もあがった日曜の朝5年ぶりの滝口寺は、変わらずひっそりと私を迎えてくれた。 本道の奥には布団がたたんで置いてあって、おそらく管理人の方が寝泊まりしているであろうもので、ある訪問客のひとりがもっと、きれいにすればいいのに、とぼやいてた。 ここは喫煙もokで、 まさに現代の駆け込み寺だ。 もう、ひと... kururi
京都巡礼_梅雨の嵯峨嵐山_ 2020年9月18日 7月某日朝6時。新宿から乗車した夜行バスで京都駅八条口に到着する。 バスから降り立ち、寝不足のぼんやりとした頭で空を仰ぐと、曇天。 しかし東京のもったりとした湿気はなく早朝の涼しさが心地よい。薄明の、まだ街が眠っているような静けさの中、嵯峨野に向かう電車に乗りこんだ。 窓際の席にもたれ、車窓から街を囲むように広がる西の... kururi
東山魁夷の描いた京をゆく-天龍寺- 2020年9月15日 簫々と降る (F4号 水彩) ・ 東山魁夷の《池澄む》を見てから、天龍寺を訪ねるなら雨の日と決めていた。今回の旅の雨天は好機と見て、嵯峨野から嵐山方面へ向かって歩きはじめる。曇天の空から、時節まばらな雨が降りしきる。 《池澄む》に描かれた回遊式庭園をめざし敷地内を進むと、雄大な嵐山を借景にした美しい池が姿をあらわした。... kururi
郷愁のサンフランシスコ 2020年9月12日 《Nostalgia》sketch 水彩 ゴールデンゲートブリッジの対岸の裏山__。 ここは人の影はなく、静かだった。聴こえるのは踏みしめる砂利の音と自分の呼吸の音。それにゴオゴオと鼓膜に響く、強く吹きつける寒々しい海風か山風か。 日が沈むにつれ刻一刻と微妙に色合いを美しく変えていくその様になんとも言えない感傷を覚えて... kururi
青森への旅__奥入瀬の森にて__ 2020年9月11日 《青い森 》2019.8 F4号 水彩スケッチ 青森は、北の国の厳しい環境の中にありながら、豊潤な自然がその厳しさを覆いつくすほどのやすらぎの土地だった。 なんとも奔放で、なにも気を張ることのない。自然体という言葉がぴったり__それでいて不思議な優しさに満ちた土地だった。 隣あうもの同士、それとなく守り、助け合い、寄り... kururi
東山魁夷の描いた京をゆく_周山街道にて_ 2020年9月9日 2015.8 《深林》“deep woods” 京都駅から周山街道行きのバスに乗る。京都の美しい風景を描いた東山魁夷が絵のモデルにした北山杉の里を訪ねるためだ。 次第に山奥へ入ってゆき、気づけば乗客はわたし一人である。バスを降りると、そこはしんとした山峡で、曇り空の下に広がる、見渡す限りの杉木立の群れに圧倒される。 晩... kururi
東山魁夷の描いた京をゆく~周山街道にて~ 2020年9月8日 2015.8. 《深青の峡》 ・“deep blue ravine” ・・周山街道にてバスの車窓から眺める。切り立ったみどりの群れになだれこむ雲霧。 ハープの弦のように垂直に細く立ち伸びる無数の白い幹が残像となって過ぎてゆく。 湿潤な峡 清涼な、夏の北山中川__。... kururi